2011年12月31日土曜日

昔のごちそう学習会 ~寒中の篇~

身近な素材で作られた茅葺きの屋根や建物に昔の人の知恵が詰まっているように、食事にもたくさんの知恵が詰まっています。
当会では、失われた村再生プロジェクトの一環として、昔からこの地域に伝えられてきた食事や食材を再現しながら、保存し、受け継いでいく取り組みを行っています。

今回は、冬の真っ只中、一年でもっとも厳しい季節である寒中に作られ、食べられてきた食事を再現します。・・・新鮮な食材が乏しい中でも祝い事に食べられてきたごちそうや、むしろその寒さを活かして作られた保存食に秘められた知恵を学びます。

昔のごちそう学習会 ~寒中篇~
【日時】2012年1月22日(日) 10時~
【会場】東地区公民館上山市須田板字原際742番2
     ※会場を「谷川の庄」から変更いたします。(H24.1.15)
【日程(予定)】※時間、内容は変更することがあります
   10時 もちつき
   11時 生もちを使った料理作り
   12時 もち試食
   13時 保存食(しみもち、かきもち)作り
【参加料】無料
【参加申し込み】申し込み不要ですが、当会にメール(右の「自己紹介」→詳細プロフィール→メール)などで連絡くだされば助かります。
しみもち
 かきもち
古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年12月24日土曜日

忘年会

大雪で始まり、東日本大震災が起き、いろんな問題も多かった2011年がまもなく終わろうとしています。

当会の活動においても、大雪で屋根が抜け、煙出しが大きく傾いたりと、保存状態が後退しながら、春以降なかなか動きが起こせなかったりとあまり順調な滑り出しではありませんでしたが、初めて地元地区と共同の「笹竹まつり」を開催したり、「かやぶき学習会」で初めて自分たちで刈った茅が屋根に載せられたりと、前進した一面もありました。

反省すべきことは反省し、悪いことは忘れようと、12月23日、上山市内の「わかきや」で忘年会を行いました。


餃子と焼きそば、湯豆腐をつつきながら、今年の話・・・特に最後の、雪と霙の中で強行したテントシート掛けは寒かった~・・・といった話で盛り上がりました。


そして早速、来年の話も。
1月に古屋敷で昔ながらの冬の保存食づくり、2月に映像イベントと・・・

ともあれ、今年一年お疲れさまでした。
少々早いですが、来年は今年以上によいお年を!!

古屋敷村の保存を考える会 齋藤
忘年会

2011年12月11日日曜日

民具資料館のシート掛け

平地では昨晩から雨が降っていますが、大門から橋を渡ると雪に変わり、古屋敷では雪が積もっています。

最近は「まゆの庄」の屋根で茅葺き学習会を開き、あちらばかりにばかり掛かりきりで、「民具資料館」は昨年の冬以降ご無沙汰状態でした。その間、シートは下から強風にあおられ、角の部分が大きくめくれて雨が入り放題の状態。また、シートのたるんだ部分に水がたまり・・・それはそれで重しになっていい面もありますが・・・めくれた部分を引っ張れない形になっていました。

そこで本日は本格的な積雪を前に「民具資料館」のシート掛け作業を行いました。

前述のとおり、古屋敷は朝から湿った雪が激しく降り続く中、4人での作業です。

最初の作業は、シートに穴を開け、たまった水を抜く作業。
水だけでなく雪もたまっています。底には落ち葉がたまり、水を抜く邪魔になるばかりか腐っていて臭いこと!鼻に付く匂いです!

水が抜けるとシートを直す作業。
抜けそうな床に気をつけながら中から、また外から梯子をかけて、重たいシートを引っ張ります。

次にロープを通しなおして、建物のあちこちに固定します。
現状の中途半端な状態にあわせて固定するので格好が悪いのですが、風であおられることを考えながら、可能な限りあちこち縛り付けました。



今年はどのくらい雪が降るのか、強風が吹くのかわかりませんが、まあ、ここまでやっておけば春ごろまでは何とか持つでしょう。
これで何とか今年も年越しができそうです。今日参加した皆さん、寒い中、雪の中、びしょびしょになりながら本当にご苦労様でした。

くれぐれも風などひかないように。
そのうち、あったかいところで忘年会をやりましょう!!

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年12月7日水曜日

茅葺き屋根の雪囲い?

12月に入ってさすがに雪の予報が頻繁に現れるようになりました・・・実際はあまり降ることはありませんが・・・古屋敷は標高が高いので、これまでも既に二度ぐらい雪が積もりました。

番城山も白くなってきて、明日から雪の予報がしばらく続くようです。
そこで、休日勤務の代休を利用し、今年茅葺き学習会をした屋根の雪囲いをしました。

屋根、とはいえ、まだ軒を作ったぐらいなので、昨年のような雪が降ったら屋根に穴が空いてしまいます。・・・来年も学習会の続きができるように中途半端な茅葺きを守らなければなりません。

昨年同様にポリカーボネートの波板をかぶせました。

北側は過酷な環境になるので、今年こそは雪下ろしをしなければなあ、と思っていますので、皆様協力よろしくお願いします。


古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年11月27日日曜日

かやぶき学習会その2 11月27日

先月30日に開催した「かやぶき学習会」の続き作業を、秋葉長四郎さんを迎えて行いました。
今日は、屋根の軒を作る作業。
前回同様に、ことのほか下地作業に時間がかかります。
茅を運び、短い茅、少し長い茅(元茅)、下茅をいい具合に組み合わせて軒用の茅を束ねます。
秋葉さんの見よう見まねで作ったのですが、いざ作ってみると、さまざまなダメだしに遭います。
・・・茅は上下があり、生えているほうを上にしなければなりません。そして、それは葉っぱの付いているものを使うと、抜けにくくなる、という理由があるから。
また、元茅を短いもの、中くらいのもの(本当は4尺あれば・・・ということでしたが)、下茅を円錐形になるように束ねなければなりません。それを下が引っ込むような形で元を叩き、下茅は一番下に来るように束ねるのです。

それを屋根に並べ、下から叩いて形を揃え、こざねで押さえ込みます。
そして、隙間の開いた縄近くに元茅を差し込みます。

今日はここまで。
これからは、また2寸径で元茅を束ね、並べ、一番上の形を作るのだそうです。

まだまだ先は長い、ということはよく分かりましたが、今年はこれまで。
後は雪対策をして冬を越さねばなりません。

もう、古屋敷には雪が積もっていますから・・・。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年11月19日土曜日

かや刈り作業の様子

本日、朝9時から茅刈り作業を行いました。


どうも今年は駐車場の茅は細くて小さいものが多いような気がします。・・・多分、工事用のプレハブが建っていたころ、周りに除草剤でも撒いたのではないでしょうか。

朝から雨80%の予報でしたが、何とか天気はもっています。

昨年に引き続き、青少年自立支援施設・蔵王いこいの里の寮生の皆さんに参加いただきました。おかげで今回はずいぶんと平均年齢が若くなっています。

昨年より茅が少ないのか、それとも皆さんが慣れてきたのか、作業が早く感じます。
駐車場の上の茅まで刈って、雨が落ちてきました。・・・ちょうどお昼の時間です。
今回も楽しみはウメちゃんのお昼ごはん。

豚汁、2色おにぎり、鳥のから揚げ、野菜、キムチ漬けとどれも美味しいです。

午後になって予報通り雨が本降りになってきました。思ったよりも気温が高く汗もかいたし、何より疲れたのでここで終了。

皆さんお疲れ様でした。


古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年11月13日日曜日

「古屋敷村かや刈り作業」のお知らせ

先の「古屋敷村かやぶき学習会」大変お疲れ様でした。
学習会で、改めて茅の確保の重要性を思い知らされた感があります。

そこで・・・本会の活動にとって最も大切で、重労働で、かつ、単純な作業であります「茅刈り」を行います。
つきましては、下記の日程で行いますので、皆様ぜひのご参加をよろしくお願いいたします。

古屋敷村かや刈り作業
日時 平成23年11月19日(土)9時~15時
集合 上山市大字大門 古屋敷駐車場
日程
9:00~12:00 茅刈り
12:00~13:00 昼食(またもウメちゃんランチ付き!)
13:00~15:00 茅刈り
持ち物
軍手等のご準備をお願いします
(写真は昨年度の茅刈りの模様)


・・・さて、今日は小雨の中、「こざね」探しをしていましたが、古屋敷は平地と違って雨が強くなってきたため、他の資材の買出しに回ることにしました。

茅や「こざね」同様、先の学習会で重要性が見出されたもののひとつが「わら縄」。
残りの作業をするのに必須の資材なのですが・・・。

しかし、どこの店を回っても、置いていません・・・2週間前までは大量にあったのですが・・・。
ホームセンタージョイでは、「材料不足のため、納品の目処が立っていません。」と張り紙がしていました。
・・・2週間前にあったのは、昨年度のわらを使った縄で、それが切れたらもう無い、ということなのでしょうか?

・・・これも原発事故の影響でしょうか・・・?

あと5締めぐらい欲しいのですが・・・だれか売っているところを教えてください!!

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年11月3日木曜日

かやぶき学習会 10月30日

10月30日(日)に開催した「かやぶき学習会」の報告をします。

当日は、20名以上の皆さんに参加いただき、また、多くの報道関係者にもお越しいただきました。


9時に集合、最初に谷川の庄でミーティングを行いました。

次いで、いよいよ作業
・・・とはいってもすぐに茅葺きに入れるわけではなく、まず、「ほ木」(縦棒)に「こざね」という自然の細木を横に取り付けなければいけません。これを1尺間隔で2本、そこから3尺ぐらい離し、また2本。

そして「ほ木」の末端に「かやおい」を釘で打ち付けます(本当は縄で縛っていたそうです)。さらに「かやおい」から1尺上、裏側にまた「こざね」を縛ります。これは、茅を押さえたときに反り返り、ずり落ちてこないようにする仕掛けです。

このように「こざね」を結ぶ場面が非常に多いのですが、これに使われるのが「男結び」。
これが何回やっても覚えられません。・・・これをやるのに結局、午前中一杯かかってしまいました。

さて、ここで恒例の「ウメちゃんランチ」。
今回は、原木まいたけごはんにざっぱ汁、よもぎの天ぷら、大根の煮付けなど!いつもながらに美味しいです。

・・・午後に入っても「こざね」縛りは続きます。
「こざね」の後は、茅が落ちないように筵を引きます。

3時近くになってようやく下地作業が終わり、茅を運びます。
茅の下を機械で切って揃え、「こざね」に挟みこみながら並べます。
そして「こざね」同士を結んだ縄を引きながら、足で茅をドンドンと踏み込みます。
そうすると、なぜか茅はギュッと押し付けられ、反り返ります。
茅同士を重ねたときにしっかり立つように、軒先側に茅を横にぶら下げ、這わせます。
っと、そこまできた時にはもう薄暗くなり始め、本日は終了。
思ったところまでには進みませんでしたが、なんとか茅葺き、の最初まで進めることができました。

「こざね」の必要性、「男結び」の難しさ、など、学んだことの多い学習会でした。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年10月29日土曜日

明日の「かやぶき学習会」の準備

明日は「かやぶき学習会」です。
参加される方はよろしくお願いします!

明日のかやぶきに向け、午前中、茅をふけるように切る作業を行いました。


秋葉さんが機械を貸してくれる、ということだったのですが、朝電話したら仕事で使うようになったとのこと。・・・そこで、星野さんに電話をして、手動の機械を借りることにしました。

以前、秋葉さんから「普通は2尺7寸、少し長くして2尺8寸か。そのぐらいに切っておくといい」と教えてもらったので、そのとおりに85cmになるように揃えて切りました。
全部切る時間もないし、違う長さも必要かと思い、半分から3分の2は切らずに残しました。


そして午後、今日、プロジェクトの確認と打ち合わせにいらしたトヨタ財団の鷲澤さんとともに、秋葉さんが仕事をしている細谷の遠藤さん宅に行って話してみると、「なんだ、長いほうがいがったのになぁ~みな切ってしまたのがっ、はぁ~・・・」と落胆されてしまいました・・・。


さて、明日の「かやぶき学習会」、どうなることやら・・・まだ切っていないのもあるし、穂先もあるし、遠藤さんの家の前にあったのより長いような気がするし、何とかなる?・・・何とかするしかないでしょうね・・・。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年10月22日土曜日

かやぶき学習会の準備作業 その2、か3

今日は生憎の雨模様。

しかし、かやぶき学習会までに準備する作業がまだ残っています。

誰も来ないかと思いながら古屋敷へ・・・佐藤さんが来てくれていました。

山元林業組合に追加で発注していたほ木と茅おいが届いていましたので、残っていたところにほ木を入れて縛りました。丸太の補助足場も付けて、ここの作業は完了。

・・・あとは、茅を抑える細木を何本か山から集めてこなければなりません。
来る途中、サルに会ったし、クリやどんぐりの多い場所なので、熊鈴を付けて駐車場の上へ。

ミズナラ、コナラ、クヌギ、カエデなどの若い細木を鉈や鋸で刈って集めました。
二人で谷川の庄の前まで下ろした頃、ちょうどお昼となり、また雨が降り出しました。

あとは茅を切る作業で準備は終わりかな、と思います。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年10月16日日曜日

かやぶき学習会の準備作業

10月30日(日)の「かやぶき学習会」開催に向け、準備作業が進んでいます。

学習場所となる「まゆの庄」の北側屋根では、準備したかやの量(がんばってきたつもりでも全然少ない!)に合わせた面積の古茅を落とし、細木(ほぎ)を約1尺間隔で差し込み、縄で縛り、雪落ちしないように釘で打つ作業を進めています。

先週、秋葉さんと古茅を落とし、細木を3本差して、縄で縛るところまで見本を見せてもらいました。

鼻の穴まで真っ黒になりながら古茅を落とし、屋根裏をのぞくと、中からすすで真っ黒になった俵が出てきました。

昔は不作に備え、屋根裏に穀物を保管していたそうです。特に古屋敷は小川紳介監督のドキュメンタリー映画にあるように非常に冷害に遭いやすい土地なので、穀物を囲炉裏の煤で燻し、不作や冬に備えて保存していたのかも知れません。

今日は、先週の続きに取り組みました。
確保できた20本の細木でできる範囲で下地作業を完了することができました。

あとは茅押さえの細木確保と茅の裁断作業ができれば30日に向け準備万端となります。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年10月9日日曜日

「かやぶき学習会」開催のお知らせ

茅葺きの職人さんの手伝いを体験しながら学び伝承するための学習会を開催します。
おいしいお昼ご飯も付きますので、皆さんどうぞご参加ください。

古屋敷村かやぶき学習会
〈主催〉古屋敷村の保存を考える会 
〈募集定員〉20名 
〈参加料〉無料
〈集合〉古屋敷村駐車場 午前9時
    (上山市大字大門字末沢地内)
〈講師〉秋葉長四郎さん
(上山市在住の茅葺き職人)
〈スケジュール〉
 9:00 集合~日程説明~作業場所へ移動
 9:10 かやぶき作業①
  ・秋葉さんの作業を手本に、かやぶきに必要な工程を体験しながら学習します。
(10:20~40) 休憩
12:00 昼食
  ・地域で昔から秋に食べられている食材で作った料理を味わいます。
13:00 かやぶき作業②
<午前の作業の続き>
15:00 作業終了~後片付け
15:30 解散
〈準備するもの、その他注意事項〉
・当日は現地に集合願います。
・多少汚れても構わない服装で、軍手、作業しやすい
運動靴又は長靴を持参ください。
・参加者の皆さんについては、主催者側で傷害保険に
加入します。
・高所等危険な場所で作業をする場合がありますので
御承知ください。


<申し込み先> 右の自己紹介から「古屋敷村の保存を考える会」のプロフィールページに入り、「メール」をクリックしてお申し込みください。
<申し込み〆切> 平成23年10月26日(水曜日)
<申し込み事項> お申し込みの際には〈ご氏名〉〈年齢〉〈住所〉〈電話番号等〉をお知らせください。


上記のチラシは「山形国際ドキュメンタリー映画祭2011」の会場(山形市中央公民館、山形市民会館、山形美術館、フォーラム)に置いています。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年10月2日日曜日

茅の整理作業③

まゆの庄での茅葺き作業に向けて、足場が設置されました。
これで少し安全に作業ができそうです。


さて、茅の整理作業の3回目。
去年刈った茅もようやく整理が付きました。はるえさんと2人の作業が多かったのですが、今日はもう一人助っ人が・・・読売新聞の影本記者がたまたま取材の下見に訪れたそうですが、ついでに茅を縛る手伝いをしてもらいました。(「その茅ばまるって!」「まるって??」)

今日はほかにもいろんな方が訪れました。
隣の佐藤さん、そしてまゆの庄の元所有者、花屋家の皆さんが法事の後に寄られていきました。


足場の設置とともに、「茅葺き学習会」に向け、徐々に準備が整ってきました。

駐車場には野生のホップも実をふくらませています。・・・あとは麦芽がそろえば・・・。

(予告)
「茅葺き学習会」を10月30日(日曜日)に開催します。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年9月18日日曜日

茅の整理作業②

先週に引き続き、茅の整理作業を行いました。

その前に、15日に山元林業組合様から細木の納品がありました。


屋根の下地用に調達したものです。・・・本来は自分たちで切り出し、作りたかったのですが、さすがに長さや細さを揃えて、それも来月まで、というわけにはいかなかったので、その道のプロにお願いしたわけです。



さて、本日の茅整理、映像はほぼ先週と変わらないのですが、小屋の中に立て掛けられた茅の量は倍増しています。スペース的にはかなりいっぱいになってきましたが、外に立てた未整理の茅もいくらか残っています。

あと1回、2名で1時間あれば片付きそうです。

それと、10月5日にまゆの庄に足場を設置するので、その現場片付けの作業も必要だし、10月中旬までには茅を抑えるための山漆などの細木の確保もしなきゃならないでしょうしね・・・。


古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年9月11日日曜日

茅の整理作業

昨年11月に刈った茅の整理をようやく行いました。


これから10月に向けて、茅葺き職人の秋葉さんからのお力添えも得ながら茅葺き作業を実施できるよう準備していきたいと思っています。

【当面の計画】
1 まゆの庄への足場設置 10月5日まで予定(手配済み)
2 細木の確保 9月16日まで予定(手配済み)
3 山漆などの細木、縄の確保 10月上旬まで目標
4 秋葉さんによる下地つくり指導 10月中旬で日程調整
5 下地つくり作業 4の翌週
6 秋葉さんによる茅葺き指導 5の翌週

そのために、昨年刈った茅の整理を行っておく必要があります。
そこで、今日作業を行いました。


昨年刈った茅のうち、半分くらいが終わりました。
残り半分、来週あたり作業したいと思います。


ついでに・・・本日のなめこのほだ木。


・・・特に変化はありません。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年8月28日日曜日

秋葉さんと古屋敷へ

上山最後の茅葺き職人の秋葉さんに古屋敷の建物を見てもらいました。

これまで集めた茅で部分的にでも何とか屋根を葺けないか、秋葉さんに相談していたのですが、現地を見ないと、ということで今日に機会を設けました。

はるえさんと、ちょうど通りかかったところだった星野さんと話を聞きました。


ビデオにもありますが、「こだいなてがらでは(こんなになってからでは)大変だ~」という言葉が全体の感想だったのではないかと思います。


まあ、ダメでもともとのところもありますので、難しいでしょうが、何とか計画どおりのことは進めたいと思っておりまして、何とか秋葉さんから「見本」を見せてもらえるように足場づくり、細木の準備(1間に6本)をしていきたいと思います。


それで、とりあえずできることから、ということで、足場設置をするにも、こうも草ぼうぼうではいけないので、ザッと簡単に草刈りをしておきました。

まゆの庄の北側・・・まず、この辺に足場を設けたいと思っています。

まゆの庄の東側

まゆの庄の西側

そして・・・まゆの庄の南側から民具資料館の南側

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年7月28日木曜日

川西町からのお客様

今日の午前、川西町の“高齢者大学東沢学部”の皆さんが古屋敷村を訪れました。

川西町東沢地区の高齢者の皆さんによる生涯学習の会で、年に1回は地域から離れて移動学習会を開催するとのこと。

今回は、古屋敷から西蔵王の山形市野草園、蔵王温泉で昼食をとるという行程だそうです。

昨晩から大雨が続き、大雨警報はもちろん、土砂災害警報も発令される生憎の悪天候・・・予定の9時30分を少し過ぎた頃にバスで14名ほどの皆さんが到着しました。

本来、散策しながらお話をする、という予定でしたが、雨のため急遽、“谷川の庄”の中で、古屋敷村の歴史などをお話した後、質問を受けるような流れで進めることにしました。

「雪はどれくらい積もるのか?」「(3月11日の)地震の時は揺れたのか?」「平家の落人の集落で、村人の団結は固かったか?」「産業がなくなったから村を降りることになったのか?」などなど・・・。

山村というわけではないにしろ、東沢は古屋敷よりも雪は多く、茅葺の家も残っているようなところ。集落は存続していますが、今は離れる人が増えているとかで、30年前の古屋敷に似た状況もあるようです。


雨が晴れ、皆さん歩いて古屋敷の村を巡りました。


今年の雪で崩れた建物や火事の跡を目にしながら、皆さん、「やっぱり管理しねど、大変だな」「立派な坪あったんだそな」などと人が離れた村の困難さや寂しさに思いを至らせた様子でした・・・。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年7月3日日曜日

冬の痛手の補修

この冬は大雪で、里も大変で、正直、古屋敷まで手が回りませんでした。

今思えば、2月ごろに北面の屋根の雪下ろしをやっておけばと悔やむばかり。
・・・3月は震災で全く時間が作れませんでしたし、諦めるしかありません。

更に最近の梅雨は豪雨になることが多く、屋根の穴からどんどんと水が浸入してきて、土壁は非常に脆くなっています。

この二歩進んで四歩下がるようなことの繰り返しに正直めげそうなのですが、気を取り直し、出来る限り「穴塞ぎ」をすることにしました。

5月15日付けの当ブログの映像を振り返ると、こんな穴が空いています。


これを、とりあえずこんな風に塞ぎました。


まだ塞ぐべき穴は残っていますが、とりあえず一番大きな場所を塞いだことで、次に向かう気も出てきました。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年6月19日日曜日

笹竹まつり開催しました

6月19日日曜日、一年のうち最も過ごしやすい時季らしく、気持ちのよい天気になりました。

今日は古屋敷の谷川の庄で、東地区会長会と本会が実行委員会を組み、「笹竹まつり」を初めて開催しました。・・・狭い会場いっぱい、70名もの方々が参加してくださいました!・・・お断りした方、申し訳アリませんでした。

朝からみんなで笹竹の皮むきをして、親指の爪の間が痛くなってしまうほどでしたが、このとおり大なべ3個いっぱいに“たけのこ汁”。鯖とみずが入った味噌仕立て。

・・・“日本一の芋煮会”ではユンボを使うのが有名ですが、こちらは打ち水するような“ひしゃく”です。

山菜料理?雑草料理?・・・ヨメナの煮物も好評でした。

古くからの保存食で農作業の一休みのお供、かきもち。
それよりその下・・・「自分にはきびしく、他人にはやさしく」・・・かくありたいものですね~。

そして山形が誇るブランド米「つや姫」のおにぎり。

とにもかくにも、好天に恵まれ、大勢のお客さんで賑わい、よいイベントでした。ダイジェスト版はこちらをご覧ください。


古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年6月12日日曜日

笹竹の筍採り

 来週開催する「笹竹まつり」に使う筍を採りに、東地区会長会の皆さんと横川堰の本流取水口周辺に行ってきました。
 みんなで採った筍は、湿らせた新聞紙にくるんで東地区公民館の冷蔵庫に保存しています。


本日8時に東地区公民館に集合。
車に分乗し、古屋敷を抜け、萱平からさらに先、横川林道へ。

随分と山道を登り、駐車場に到着。
未舗装の狭い道を長く走らなければ行けない場所にもかかわらず、まるで観光地のように車が一杯。・・・中にはマナーの悪い人もいて、駐車場周辺にごみを捨てられることも増えていることから、不法投棄防止の看板を立て、周辺のごみ拾い。


・・・続いて宮城県側の横川堰駐車場へ。・・・ここでもタイヤやら懐かしいデザインのミシンやら、敢えて捨てに来ないと捨てないようなものも。

ごみと記念写真を撮って、いよいよ横川堰の本流を目指します。
白神山地ばりのブナの巨木の森には、きれいな沢や湧き水がところどころにあり、ここから横川堰に取水しています。・・・そして最深部の沢へ。

江戸末期の庄屋様が私財をなげうって、上山に水を引くために素掘りで堰を掘ったそうです。・・・物理的にも大変困難なのですが、当時、宮城県側は角田藩の領地。他藩から水を引くのは以ての外。今でも県境を越えることはそうないことですが。・・・随分時間が過ぎ、明治初期、山形県令の三島通庸が後輩であった宮城県令に山形県が無料で借りることを決めさせたとか。・・・以来、毎年、山形県が宮城県から無償で借りる契約が続いているそうです。

さて、本流の取水口から少し戻った沢沿いの笹薮で筍採取!

日当たりの良い場所の、背丈より高い笹薮に筍は生えやすいとのこと。
迷わないように気をつけながら、顔に当たり、足や胴に絡みつく笹を掻き分けながら地面近くをよーく見ると、筍がたくさん生えています。・・・1時間ほど採取した様子は次のとおり。


来週19日(日曜日)、谷川の庄で開催する「笹竹まつり」では、今日収穫した筍が振舞われる“はず”(うまく保存ができていれば)ですので、乞うご期待!!

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年6月4日土曜日

なめこの本伏せ

4月27日にほだ木になめこの菌打ちをしました。
それから一ヶ月間、ビニールシートと茅をかけて“仮伏せ”をしてきました。

ちょっと遅めなのかもしれませんが、先週は雨降りだったので、今週“本伏せ”をすることにしたのでした。

谷川の庄から川に降りたところの杉林近くにほだ木を運び、並べました。・・・湿気が多く、風がとおり、日光がチラチラ差し込む程度の場所がなめこ栽培に適しているとされていますので、「ここはもってこいかなぁ~、やはり、昔なめこ栽培が盛んだっただけあるなぁ~」と思うのでした。

谷川の庄の裏に仮伏せしていたほだ木をはるえさんと運び、並べ、一応「木を不法投棄しているのではありませんよ」「管理してますよ」ということを主張するために杭を立てて縄で囲みました。



・・・これで果たしてなめこはできるのでしょうか?幾許どころが相当に不安を持ちながらも、来年の秋に期待。果報は寝て待て。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年5月18日水曜日

「笹竹まつり」のご案内

 

 古屋敷村が所在する東(あずま)地区には、“東の笹竹”と呼ばれる食材があります。
“月山竹”のような、いわゆる高山に生える細竹で、古屋敷村から更に山に入り、横川堰とか、宮城県境に近い、標高の高い場所に自生しています。

 かつては、6月ぐらいの時期になると、この地域の人々は大勢山に入り、笹竹を取って味噌汁などに入れたり、囲炉裏であぶったりして食べ、あるいは売って学校の収益源にしていたそうです。

 しかし、最近は採る人も少なくなり、山の笹薮は荒れ、取れる笹竹も少なくなってきたそうです。

 そこで、東地区の特徴的な食材である“東の笹竹”をもう一度見直そうと、東地区会長会の主催でこのお祭りが開催されることとなりました。

 当日は、この「幻の笹竹」を味わうほか、ご存知鈴木ウメ子さんによる地元の食材・・・たぶん、セリかヨモギとか、地元に自生する山菜?雑草?をふんだんに使った料理も合わせて味わい、昔からこの地域で食べられてきた食文化について考えたいと思います。

 ほかに胡弓の演奏などもありますので、皆さん是非ご参加ください!!

笹竹まつり
  1. 主 催 笹竹まつり実行委員会
  2. 主 管 東地区会長会、古屋敷村の保存を考える会
  3. 日 時 平成23年6月19日(日) 11:00から14:00
  4. 会 場 上山市大字大門 古屋敷 「谷川の庄」
  5. 定 員 70名
  6. 参加料 無料(ただし、東日本大震災の義援金箱を設置します。)
<プログラム>
  • 11:00 音里間満生(ねりま・みき)さんの胡弓演奏、踊り、民謡
  • 12:00 たけのこ採りや昔の食材についてのお話し
  • 12:30 会食 ~東の笹竹のたけのこ汁など昔の食材を使った料理、漬物、つや姫のおにぎり等

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

冬の爪あと

 この春も被害を受けていました。
 今、“被害を受けた”といえば、東日本大震災の被害かと思われますが、ここ古屋敷は、一説によると岩盤の上にあり、大きな地震でも被害を受けません。・・・既にお忘れの方も多いと思われますが、この冬はかなり雪が多く、1月下旬から2月の上旬にかけ、県内では各所で建物がつぶれるような被害がありました。

 古屋敷も然り。
 私が施したような波板での応急処置は、見るも無残に崩れ落ち、北側の屋根の雪が春先まで残り、固まって屋根ごとずり落としていました。そして、それに伴って、屋根の煙出しが今まで以上に90度近い角度で傾いてしまいました。



 あぁ・・・どうしようか・・・。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年4月30日土曜日

春の山菜、雑草食材巡り

今朝は、小笹地区で鈴木ウメ子さんからこの時期生えている山菜や“雑草食材”を案内していただきました。

まずはノゼリ

ヤマニンジン・・・きどさがあり、薬草にもなるそうです。一晩浸してからおひたしにします。

ハシギ・・・箸にできる木。新芽を乾燥させ、人寄せごとの料理に出していたそうです。

ヤマウコギ・・・切り和えにします。

アイコ・・・天ぷらにするとおいしいです。

ノアサツキ・・・サルが食べた跡があります。

そして小笹ウルイ・・・品種というより土壌がやわらかさを生むようです。

本当に、足元や木の根元など、あらゆるものが食材で、荒れた畑や林にしか見えなかったのが、広大な食卓に見えてきます。

この時に採ってきたものなどを早速戴きました。

ヤマニンジンのおひたし

アイコ、タラノメ、ヨモギ、ウドの天ぷら

そして、トウが伸びたフキの煮物・・・フキの食感にフキノトウの苦味と香りが加わります。

春の味はどれも苦味やきどさがあり、冬の毒気を抜いてくれそうな味です。
春は畑の物が少なく、“何もない時期”のように思われがちですが、野のものはむしろ豊富で、昔の人たちは、こうしたものを食べて健康になっていたのでしょうね。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年4月27日水曜日

なめこの菌打ち作業

4月24日日曜日、午前9時からなめこの菌打ち作業を行いました。

昔の話の聞き取りを通じ、古屋敷村では、かつてなめこの生産が盛んで、缶詰工場もあったとか。湿気が多く冷涼で、原木なめこの生産に適した場所だったためですが、その後、なめこが工場内生産で四季を通じ安定して生産されるようになると効率面で勝てず、徐々に廃れていったそうです。

そこで、私たちもこれを復元し、あわよくば活動協力の輪を広げる“元本”にしようと、少しずつ生産にチャレンジしてみることにしたものです。

4月10日に伐っておいた桜と当日追加したくるみの木、20本ほどのほだ木に、500個の駒菌を打ち込みました。

当面仮伏せし、これを5月下旬ごろに本伏せします。

来年の秋にならないと、なめこは出ないそうですが、いずれ訪れる(?)その日が今のうちから楽しみです。



古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年4月19日火曜日

なめこの菌打ち作業を行います

ご無沙汰していました。
4月9日に「昔の食材を味わう~春の会」(仮称)を開催予定していましたが、東日本大震災の発生とその後の影響で流れてしまいました。

さて、一方、なめこづくりは今やらないと今年はできないことになるので、菌打ち作業を行いたいと思います。
比較的簡単な作業(だと思う)ので、皆さん是非ご参加ください。秋が楽しみになると思います。

【日程】 4月24日(日) 9時~ 谷川の庄前集合
【作業】 
1 ほだ木運搬(20本ほど)
2 ほだ木に穴あけ→菌打ち
3 ほだ木の仮伏せ→茅被せ

服装:長靴、軍手あればOK(雨天時は雨具があればいいです)
天候:曇り時々雨の予報ですが、小雨決行

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2011年2月20日日曜日

2011年2月20日

昔の話を聞かせてくださいプロジェクト~

今日の夕方、昔、萱平に住んでいた赤木のぶ子さんご夫妻に、お話を聞かせていただきました。

出だしはいきなり、日露戦争を題材にしたお手玉唄から始まりました。


のぶ子さんは、竜沢に住んでいた小学一年生の頃、お姉さんから教わり、遊んでいたそうでした。

・・・相当、勇ましい歌詞で、今の感覚で聞くとちょっと引いてしまうような内容ですが、戦前は子どもから大人まで普通に日常使われていた言葉や認識だったのでしょうね・・・17歳で萱平に嫁ぎ、戦争直後の時代背景での奥深い山村での不便な生活に思いを馳せながら、特に進駐軍と馬を交換した話や古屋敷、萱平住民が遭遇した雪崩事故の話、興味深く聞かせていただきました。

古屋敷村の保存を考える会 斎藤

昔の話を聞かせてくださいプロジェクト

今シーズンは大雪で冬の暮らしの大変さを改めて感じているところ。

古屋敷村は平地よりも雪が多く、建物が心配なところですが、そんな中、冬の間を利用して、「昔の話を聞かせてください」プロジェクトを進めています。

古屋敷、上山はおろか日本全体として、昭和30年代の高度成長の頃から食生活(身近な食材や保存食→欧米化)、燃料(薪や炭→石油やガス)、住まい(囲炉裏や竈→ストーブやコンロ/茅葺き屋根→トタン屋根)などが大きく変わりました。

現在のようになる前の生活を知る人は、現在70代以上の方々に限られるようになってきました。そのため、このまま行けば、こうした上山の農山村に長らく伝わってきた暮らし方の知恵が失われることになります。

そこで、「家に囲炉裏があったころの食生活」を中心に当時を知る方々からお話を聞く活動「昔の話を聞かせてください」プロジェクトを行っています。



これまで、鈴木ウメ子さんご夫妻を皮切りに、何人かの皆さんにお話を伺い、その様子をビデオに収め、内容を整理したうえで、これからいくつかの料理を古屋敷村で再現する取組みを行う予定です。

当ブログで伝えておりませんが、

2010年12月27日 菖蒲の佐藤善美さんご夫妻


2011年1月31日 大門の鈴木さん(東地区会長も同行)


から、食生活や畑作物のこと、村のこと、山仕事のこと、そして親や家族の歴史のことなど様々なお話を伺っています。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤