2012年3月26日月曜日

古屋敷村映写寄合・東京イベントを開催しました

予告のとおり、3月20日(火)春分の日に、東京・東中野駅前のポレポレ坐で「古屋敷村映写寄合~映像が伝える山村の暮らし」東京イベントを開催しました。

2月に上山市十日町の蔵で開催した内容とほぼ同じようなプログラムでの開催です。

いやぁ~、いつもカメムシだらけ、人のいない古屋敷で活動する我々が、東京に行って何かをするだけでも奇跡的に感じます!

はるえさん、ウメ子さん、恵子さん、裕己さんと私の5人で19日の午後5時に山形、上山を発ち、東京に向かいました。・・・それからの珍道中は次回に移すとしますが、夜9時に忙しい中駆けつけた藤岡さんとの打ち合わせを経て、20日の午前11時ごろ、東中野に無事到着。

・・・しかし、ここで大問題が発生!・・・人間は到着したのですが、前日に送った振る舞い料理などの荷物の方が届いていない!!・・・20日の朝、山形が雪で遅れた、と公式には説明していますが、こんなことがあるものですね~こんな時に限って!!

予定の13時を迎え、会場のポレポレ坐には、2009年の映画道場に参加した方、山形県人会・上山会の皆さんなど、縁のある方も含め、何だかんだ言って、約40名の皆さんが来てくださいました。
皆さん、ありがとうございます。

最初に「味わいの時間」の映像と振る舞い料理の時間にするところを、逆に「かやぶき学習会2011」の映像と“男結びをやってみよう”を先にやって時間稼ぎをすることになりました。

意外に皆さん、男結び、ムキになって盛り上がってくださいましたね~。
さすがに上山会の原口出身の方は覚えておられましたね~。

さて、そんなことで話をつなぎながらも14時半ごろにようやく荷物到着!

ここからは皆さんにバタバタと振る舞いの時間に突入・・・しかし、ウメ子さん、恵子さんは本領発揮で上山弁全開のトークショーになりました!

東北の女性は物静かだ、という既成概念、ステレオタイプを相当にぶち破る、元気満点のお話で、「山形のおばちゃんってしゃべるんだね~」と感想をおっしゃっていた方もいたようでした。

会場の大きさ、人数、雰囲気ともに申し分なく、とってもいいイベントになったのではないかと自己満足しています。

ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。


P.S.
本イベントについてFM山形のラジオ番組に私を出し紹介の機会を与えてくださった荒井幸博さん、スタッフブログで本イベントを紹介くださった山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」の皆さん、そしてプロジェクト全体への助成に限らず、事前のイベント紹介と早速のレポートをホームページにアップくださった公益財団法人トヨタ財団の皆さん、本当にありがとうございました。
この場でお礼いたします。

【公益財団法人トヨタ財団ホームページ】
・イベント等のお知らせ
・プロジェクトレポート

【おいしい山形プラザ】
スタッフブログの紹介記事

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2012年3月4日日曜日

古屋敷村映写寄合 東京イベント のお知らせ

上山の十日町で開催した「古屋敷村映写寄合」。
あれから一週間が経ちますが、間髪をおかずになんと今月は“東京特別興行”があります!
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小川紳介監督の逝去から20年。
東京・神田駿河台のアテネ・フランセ文化センターでは、「~小川紳介没後20周年特集 小川紳介と小川プロダクション」を3月13日から開催、全31作品が上映されます。
そして、先週、地元の皆さんと観た「ニッポン国古屋敷村」が3月20日の17:00~20:30に(今度は)完全上映されることから、これを「第2部」に位置づけ、ビデオ上映などの「第1部」とあわせて「古屋敷村映写寄合 ~映像が伝える山里の暮らし~」の東京イベントとして開催することとなりました。

古屋敷村映写寄合 ~映像が伝える山里の暮らし~ 東京イベント
 かつて、小川紳介監督が映画『ニッポン国古屋敷村』で描いた山形県上山市の古屋敷村。今は住む人も少なく、映画に映しだされたかや葺きの家々は荒廃が進んでいます。
 日本の原風景のようなこの山里の景観を残し、地域の歴史や生活文化を再び掘り起こしながら新しい交流を生み出す場にしていこうと、有志たちの「古屋敷の保存を考える会」が活動を続けています。東京での特別イベントにぜひご参加ください。
開催日時:2012年3月20日(火・祝)
● 第1部 「失われた村 再生プロジェクト」 13:00 ~ 16:00
 かや刈りとかや葺きの作業、キノコの栽培、笹竹など地元食材の採取、厳しい冬期を乗り切る保存食の学習会…。地元での活動を、映像を交えて振り返りながら、「失われゆく村」の記憶と知恵を伝承することの意味を考えてみます。上山の農山村に伝えられてきた季節の味をいただきながら、自然と人間のつきあい方の変化、消えゆく価値観の再考について自由に語り合う催しです。入場無料。
会場: Space & cafeポレポレ坐 
(JR東中野駅西口、都営大江戸線東中野駅A1出口より徒歩1分)
住所:東京都中野区東中野4-4-1ポレポレ坐ビル1F   
お問い合わせ: 藤岡 070-5089-9203 / Email: doc.dream.center@gmail.com
プログラム: 
【味わいの時間】
 里山はごちそうの宝庫! 地元料理の研究家鈴木ウメ子さんと一緒に村を歩く映像を見ながら、食材の発見にワクワク。
 「昔のごちそう学習会」で作った「かきもち」など、昔から上山の農山村に伝えられ、食べられてきた季節の味を味わいます。
【古屋敷村かやぶき学習会 2011】
 かや葺き屋根の家が一軒一軒減っていく中、かや葺きの技術を持つ人も少なくなっています。失われつつあるかや葺きの技を「かやぶき学習会」の映像で振り返りながら、技術の伝承と今後の古屋敷村の再生に向けての今後を語り合います。縄を使って「男結び」をやってみよう!
■ 主催:古屋敷村の保存を考える会/共催:ドキュメンタリー・ドリームセンター
■ 公益財団法人トヨタ財団 地域社会プログラム助成事業
■ 協力:映画美学校、アテネ・フランセ文化センター
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● 第2部 「映画を通して見る 古屋敷村」 17:00 ~ 20:30
 1982年に作られた小川プロの映画 『ニッポン国古屋敷村』 が上映されます。 
 戸数わずか8軒となった古屋敷村の人々の稲作、炭焼き、戦争体験や昔話。ひとつの山村を舞台にしたニッポン国の壮大な歴史絵巻が広げられる。ベルリン映画祭国際批評家連盟賞受賞作。
 監督:小川紳介 撮影:田村正毅 現地録音:菊池信之 録音:浅沼幸一 詩:木村迪夫 音楽:関一郎 製作:伏屋博雄 製作会社:小川プロダクション (1982年/カラー/16ミリ/210分)
会場:アテネ・フランセ文化センター
(JR「お茶の水」「水道橋」から徒歩7分) 東京都千代田区神田駿河台2丁目11  アテネ・フランセ4F
TEL:03-3291-4339(13:00~20:00)[日曜・祝日休館]
■ 主催:アテネ・フランセ文化センター、映画美学校
■ 料金:一般=1回券1000円/3回券2700円
アテネ・フランセ文化センター会員=800円


  
古屋敷村の保存を考える会のイベントを今回特別に!!東京で開催します。・・・こんなことは多分、二度と起こらないと思います。文字通りのまたと無い機会ですので、東京近郊にお住まいの方はぜひ足をお運びください!!

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2012年3月3日土曜日

古屋敷村映写寄合~映像が伝える山里の暮らし~上山イベントを開催しました

もう一週間近くになってしまいましたが、去る2月26日日曜日、映像イベント「古屋敷村映写寄合~映像が伝える山里の暮らし~」を開催しました。

「映画に残る村」の古屋敷村。
30年前に撮影されたドキュメンタリー映画を見ながら、村の生活が残るおそらく最後の頃の住人の様子や歴史を見直し、今の私たちの「失われた村の再生と伝承」の取り組みを映像で見返し、山村の生活の知恵の伝承を考えました。

映画撮影の地元である上山でのイベントらしく、当日は映画に登場する人々の肉親の方々が来てくれ、「いやぁ~、(亡くなってから20年になる)兄に会えて良かった~。今晩夢に出そうだ~」と興奮気味の様子でした。

また、お父さんが映画に出ている花屋紀子さんは、「茅葺きが維持できれば村に残ったのに。茅葺き職人もいなくなって、両手幅で何十万円ものお金がかかるようになったら山の生活は維持できない。みんな出てしまっては残れない。」とおっしゃっていました。

私たちが最近まとめた映像に関しても、「ニッポン国古屋敷村」との関係がつながっていて、例えばビデオ「味わいの時間」の中で鈴木久雄さんが言っている「有名ななめこを作っていた浩さん」とは、映画で炭を焼く「浩さん」。・・・また、ビデオ「失われた村再生プロジェクト~かやぶき学習会2011」の中で茅を葺いている家は、紀子さんのお父さん、花屋喜一郎さんの家です。

紀子さんにお聞きしたら、ビデオの中で出てくる昭和15年の新聞が入ったお札の俵のことは「知らなかった」ということで驚いていました。・・・喜一郎さんは映画の中で出征時の辛かった話をされているので、きっと、留守を守る家の人たちが喜一郎さんの無事を祈って集めたお札を屋根裏に残しておいたのでしょう。・・・つい、そんな戦前の村の光景が浮かんできます。

映画に出ていた古屋敷村の皆さんはみんなお亡くなりになったそうです。
かつての住人の方々はいなくなり、「失われた村」であるのですが、私たちの今の活動も、かつての村の歴史とつながっているんだ、ということを“ほぼ初めて”認識することができました。

「やまびこ学校」で有名な山元村・元屋敷の佐藤藤三郎さんは、「山村は不便だけれど、教育環境として悪くない。それでも優秀な子供たちは残らなかった。」とおっしゃり、「今後、山村に若い人が来る方法、経済を維持する方法はないものか」という問題提起を頂きました。・・・それはまさにこれからの私たちの大きなテーマです。・・・古屋敷村は平家の落人がつくったという村。東京のイベントでは、ぜひ、東京の皆さんに「主体的な都落ち」を勧めてみたいな、と思いました。

今回は、大盛況というわけではありませんが、会場に見合った程度の参加者数で、和気藹々としたイベントになりました。
何より、「失われた」と思っていた村の歴史を映像でつなぐことができた、それだけでも今回の映像イベントを開催した意義があるなぁ~と感じます。・・・自画自賛でしょうか?

それと、今回の「映写寄合」でも上映した「古屋敷村の保存を考える会PRビデオ」を、当ブログから見ることができるようにしました。愛さん、ありがとうございます。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤