2012年9月30日日曜日

蚕室の危機

 先々週、隣の橋本さんから「蚕室の南西側のシートが風であおられて落ちそうだ」という電話を頂きました。

 しかし、用事があったり、天気が悪かったりで手が付けられず、今日、ようやくシート直しに向かいました。

 まあ、行って見たら、シートの方は相変わらずで、確かに南西側は剥がれていましたが、たるんだ部分に雨水が溜まっているため、風で飛ばされるような心配はありませんでした。

 そうは言っても今夜強烈な台風が近づくという予報が出ている中で、このままでは居れません。
シートに穴を開け、溜まった雨水を流し出し、シートのたるみをとります。・・・やったことがある人はわかりますが、このシート、重くて半端じゃない!
最上部でロープが切れている穴に新しいロープを入れ、緑のシートを引っ張り上げます。
そこまでは力があれば何とかなるのですが、今度は南側の屋根面で緑のシート同士をつなげ、きものを羽織るような姿にしなくてはいけません。・・・ということは、三階くらいの高さで白いシートの上に登り、作業をしなければならないということです。・・・最初にこのシートを掛けた時は、山川大工さんが専ら引き受けてくれた作業で、「これは本職でなきゃ絶対に無理だな」と思ったものでした。

 しかし、1人しかいない状況で、台風を前にやるしかありません。・・・風が吹いて、シートが下からあおられれば一発落下です!・・・しかし、風もおさまっているので、条件は悪くありません。

 なぜか出来そうな気がしたので、勇気を出してシートの上に出てみます!・・・緑のシート2枚に綾を掛けるようにロープを通し、引っ張り、なんとか作業完了。
2枚の角の穴には長いロープをつけ、下に垂らし、白いシートに開けた穴から室内に引き込みます。・・・内側から引っ張り、しっかり梁や柱に結ぶことで飛ばされないようにします。

2時間かけて作業はひとまず完了。・・・台風前の蒸し暑い空気の中、あるいはクマンバチが頻繁に近づく中、体はくたくたで、これ以上は勘弁してください、って感じです。まあ、この台風ぐらいは何とかなるでしょう。・・・ロープが切れたら、今度はトラロープで綾を編んで、そのまま室内に引き入れ、結びたいと思います。ちょっと高所作業にも自信がついたので。

 しかし、建物の一階では深刻な事態が起こっていました。
 (橋本さん側とは反対の)北東側のシートに水が溜まったせいか、はたまた大雪の重みか、一階の中心部分の柱が折れていて、その上の梁も落ちている状況でした。
シートのお陰で二階以上の部分は腐食が進まなかったのですが、一階部分は北東側から本格的に腐り始めたのです。・・・これは2年前の計画は頓挫したことを意味します。・・・いよいよ、蚕室の安全な撤去を考えるときになりました。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2012年9月2日日曜日

茅整理作業の効率化実験

屋根葺きで一番重要なのが茅を大量に集めること。
そのために茅刈り作業に人手を集めなければならないのが問題ですが、一方、お祭りみたいに出来るので楽しい面もあります。
しかし、刈った茅を冬越しして水を抜き、余計な雑草や折れた茅を抜き、下(もと)をそろえて束ねる作業・・・整理作業が意外に地味で時間が掛かり大変な作業になります。・・・干していた茅の束を一度バラし、雑草を抜きながら状態の良い茅だけ寄せ集め、下をそろえて束ねる・・・という作業は、体力よりも根気を要する作業で、ゆえに手伝ってくれる人も少ないような感じです。

しかし、大量に茅を集めるとなると、この作業は避けて通れないばかりか、一番のネックになりそうな気がします。
どうも、現在のやり方だと、時間が掛かりすぎる上、作業が丁寧すぎるようになって、いくらか必要な草の部分もきれいに抜きすぎるようにも感じます。・・・もう少しスピーディで、手抜きが利くやり方は無いものか・・・。

そこで、ひとつ、合理化方法を考えました。
干した茅束を抱え切れるぐらい・・・4束ぐらい、持ってきます。

輪にしたわら縄を上部に回し、釘にかけて立て掛けます。
(アップするとこのような感じです)


この状態で(4つの)束の縛りを解き、バサバサと下(もと)に手を分け入れ、余計な草を下のほうにしごき取ります。このとき、茅の下(もと)をついでに揃えます。
大体きれいになったら、上部を新しい縄できつく縛ります。

そうしたら釘から縄を外し、(その前に周りの地面をきれいにして)大きくなった茅束を寝かせます。
この状態で、再び下(もと)をそろえ、挟まった余計な草を抜きます。

下(もと)の方も新しい縄できつく縛ります。

 ・・・この方法で作業した結果、
 昨日と同じ所要時間でこれだけ整理することが出来ました。

こんなに作業が進みました。
昨年は(除草剤を撒かれたせいで)茅の背丈が低く、まともに使えそうなものは限られます。
そう考えると、今日の方法で、3~4時間/人もあれば、ここから見えない場所に立て掛けた茅を含め整理が終わりそうな気がします。
・・・こんな作業の効率化を考える人って、そうはいないんじゃないかと思います。多分、参考になると感じる人も同様に少ないと思いますので・・・・。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2012年9月1日土曜日

8月が終わって再開

 今年も8月は異常に暑く、35℃を超す日が何度もありました。
 2年前にも暑い日が続き、無理をしてひどい目にあったことから、暑い8月は作業を休止していました。熱中症が心配ですし、歳も歳、猛暑中の作業は非常に体に堪えるからです。
 7月30日以来のブログアップ。・・・ちょうど8月を飛ばす形で今日、9月1日からブログも再開。
やりやすい作業から、と思い、まだまだ進んでいない茅整理から。
今日の古屋敷は28度くらいで30度には至らず、気持ちいい風が吹いていました。
一人じゃどうも進みません。・・・
明日も午前中にすると思いますので、これを見た方は手伝いにきてください!

古屋敷村の保存を考える会 齋藤