2012年2月19日日曜日

凍み餅回収と足跡

1月22日に開催した「古屋敷村 昔のごちそう学習会《寒中篇》」では、餅を切って編み、ぶら下げて凍み餅つくりをしました。・・・生の餅は数日でカビが生える、至って腐りやすい食品ですが、氷点下が続く山形の寒中にこれを干すと、たちまちに凍みて、それからは30度以上の夏になっても腐れない強力な保存食に変身します!・・・流通が悪く、保存が利かない昔の人が生きるために考えた偉大な知恵です。

期待通りに凍み餅になっているか、26日の「古屋敷村映写寄合」で料理に使えるか、回収に行きました。


その結果は?・・・例年になく氷点下、それも平地でマイナス5度以下、古屋敷ではきっとマイナス10度近くまでなっていたでしょう。・・・その低温のお陰か、見事、餅は凍みていました!

しかし、凍みた餅は水分が凍結して体積が縮小し、ちょっと衝撃を与えると編んだ紐からぼろぼろと落ちて割れ始めます。それを丁寧に袋に回収しました。


それは小笹の鈴木家に届けることにし、先週、決死の覚悟で雪下ろしをいたまゆの庄の様子を見ることにしました。

・・・すると怪しい足跡が・・・それも地面から屋根に続いています。・・・これはきっと、先週もお見かけしたおサルさんのものではありませんか?!

まゆの庄がサルの本拠地にならないように、扉を閉めなおしながら、後にしました。

しかし、屋根のほうはというと、あの後に強風が吹いたものの、その前に少し雪が積もったので、露わになった波板は吹き飛ばされず、何とか茅葺きは守られたようでした。


さて、話題は変わりますが、連日の作業の結果、「味わいの時間」に余興に流そうという映像はようやく完成の段階に入りました。今日の凍み餅を入れるかどうか分かりませんが、来週日曜日の「古屋敷村映写寄合~映像が伝える山村の暮らし~」で初上映しますので、乞うご期待のほど!!


古屋敷村の保存を考える会 齋藤

2012年2月11日土曜日

雪下ろし

2月26日(日)の「古屋敷村映写寄合~映像が伝える山村の暮らし~」については、じわじわと広報活動が進み始めています。・・・10日(金)午後8時放送のFM山形「荒井幸博のシネマアライヴ」では、この「映写寄合」を事細かに紹介して頂きました。

それも、「ニッポン国古屋敷村」で村の人たちへのインタビュー役となった飯塚俊男監督が、自身の最新作「深谷シネマ」を上映し、トークショーにも出演する「つるおか商店街映画祭」が今日と明日開催されることから、先週に引き続き番組に電話出演したという、誰かが図ったような絶妙のタイミングでの紹介になりました。(荒井さんどうもありがとうございます!)
・・・「ニッポン国古屋敷村」、確かに後半部分だけの上映では2月に21回忌を迎えた小川監督に祟られそうですね!・・・でも、あれから30年を経た今ならではの見方として、こういう使い方もありなのでは、と思っています。

また、実はこの「古屋敷村映写寄合」という名のイベント、3月に東京でも開催されることになりました!!

・・・小川プロの作品を所有するアテネフランセ文化センターが、ちょうど3月20日に「ニッポン国古屋敷村」を上映(こちらはフル上映!)するのに合わせ、「失われた村の再生プロジェクト~かやぶき学習会2011」の上映を中心に、東京で古屋敷村を、失われた持続型の暮らしを考えよう、という趣旨でのイベントをポレポレ東中野を会場に行うことになりました。・・・また詳しくご紹介しますが、東京方面の方はぜひ記憶に留めていただき、参加していただければ、と思います。・・・嘘偽りのない、又とない機会だと思いますので。

さて、そんな中でも最も気になるのは映像の中の古屋敷村ではなく、リアルに豪雪にあえぐ古屋敷村です。
自宅周辺の雪も一段落したので、今日は午後から様子見に行ってきました。・・・せっかく茅葺きにした軒先が雪で落ちていないかの確かめと除雪のためです。・・・「かやぶき学習会」で作った軒先が、映像記録にしか残らなかったら洒落になりませんからね。

さすがに降りましたね~。
上山は90cmといった程度?ですが、古屋敷はもうちょっと・・・1m50cmぐらい?ありそうです。

先月にまゆの庄の軒先を落としましたが、今行ってみると、ひと月もしないのに倍はありそうです。・・・もう既に茅を葺いた軒先を保護するために付けた波板は無残にも雪とともに落下していました。

今回は、近所の加治屋さんが発明した「軒先雪下ろし機~」を持っていきましたので、屋根の中段ぐらいまでの雪を引きずり落とすことができます!・・・確かに便利なのですが、ステンレスなので結構重く、大胸筋が非常に疲れてきて、マイナス3度の中にあって、汗がぽたぽた滴り落ちてきます。

「あぁ、疲れたぁ~」と言いながら“軒先雪下ろし機~”でまゆの庄の北側で雪を落としていると、突如、ドドッと雪が雪崩を打って落ちて来ました!!・・・幸い、巻き込まれることはなかったのですが、かなりの危険を感じました。・・・一人暮らしのお年寄りが雪に埋もれる事故のニュースを聞きますが、それって、こういう状況なんだな、と身をもって感じた次第です。84歳とかになって、こういう作業をするのは本当につらく危険なこと。何とかならないか、こんな空き家の雪下ろしよりもよほど大切なことなんじゃないかな、などと考えながらも、息を切らしながら、軒先に落ちた雪を切り落としていました。

しかし、北面の屋根の半分の雪がきれいに落ちたことは、まゆの庄の茅葺き部分の保護、という観点では良かったことかもしれません。あとはこれからどれくらい雪が積もるか、ということではないでしょうか。

・・・そんな今日の古屋敷の様子をご覧ください。

2012年2月6日月曜日

古屋敷村映写寄合~映像が伝える山里の暮らし~を開催します!

古屋敷村を全国的、あるいは国際的に有名にした最初の時は、小川紳介監督のドキュメンタリー映画「ニッポン国古屋敷村」が1982年のベルリン国際映画祭で国際批評家賞を受賞した時ではないかと思います。

以来、映画が国内外で評価を高めるに合わせ古屋敷村の知名度も上昇していきましたが、その一方、小川プロダクションが映画を撮影した時期は、日本が高度経済成長を遂げる過程で暮らし方が変わり、村に住む人々の離村が進み始めた時期でもありました。
その後、コミュニティとしての古屋敷村は完全に失われていくわけですが、おそらく最後に近いコミュニティの姿が映画の中に残されたことになります。






今回は、この著名な映画に記録されたかつての村の姿や、最近行われたかやぶき作業の学習風景を撮影した映像を見ながら、連綿と繰り返されてきた山里の普通の生活に秘められた知恵を伝承することについて、その現代的な価値や難しさを自由に語り合う映像イベント「古屋敷村映写寄合~映像が伝える山里の暮らし~」を開催します。・・・入場無料、出入り自由、品切れ御免どなたでもご参加ください。
古屋敷村映写寄合~映像が伝える山里の暮らし~
(主催)古屋敷村の保存を考える会
(共催)上山市 (後援)特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
日  時/2012年2月26日[日]
会  場/十日町の蔵 (上山市十日町・十日町郵便局向かい)
入場料/無料
プログラム/
10:00 【開場】
10:10 【映画上映】
 ドキュメンタリー映画 「ニッポン国古屋敷村」 (後半部)
 1982/日本語/カラー/16mm
 監督:小川紳介 撮影:田村正毅 現地録音:菊池信之 録音:浅沼幸一
 詩:木村迪夫 音楽:関一郎 製作:伏屋博雄 制作会社:小川プロダクション
12:00 【味わいの時間】
 昔から上山の農山村に伝えられ、食べられてきた季節の味を味わいます。
13:00 【上映懇談会】
 ビデオ 「失われた村再生プロジェクト ~古屋敷村かやぶき学習会2011」
 失われつつある茅葺きの技術を学び、茅葺き屋根の再生に生かそうと2011年に催した「かやぶき 学習会」の様子を映像で振り返りながら、茅葺き屋根の保存と技術の伝承の今後を語ります。
15:00 【閉場】

《会場案内》
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申し込み不要ですが、お問い合わせの場合は当会にメールにてお問い合わせください。

古屋敷村の保存を考える会 齋藤